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#16:効率的な医療や病診連携について~新病院の医療機能・その3
  「画像診断センター」機能、および、「手術センター」機能~

 この文章は平成17年10月に、病院広報誌第4号の巻頭言に書いた文章です。
 医療の「経済性」や「費用対効果」、「医療機関の機能分担」や「病診連携」について、また、こうした日本の医療政策の中で当院が新病院で提供していこうと考えている「画像診断センター」機能と「手術センター」機能について書きました。

効率的な医療や病診連携について
~新病院の医療機能・その3 「画像診断センター」機能、
および、「手術センター」機能~

          院長 加藤奨一

 新病院で新たに提供していく医療機能は、

1.「救急センター」機能
2.「画像診断センター」機能
3.「癌治療センター」機能
4.「手術センター」機能
5.「循環器病・呼吸器病・糖尿病センター」機能

の5つに集約されるということは前回まで何回も書いてきましたが、今回は、新病院開院前の最終号ということで、「画像診断センター」機能と「手術センター」機能の2つの機能について併せてお話しします。

 医療について「経済性」や「費用対効果」が叫ばれ出してからもうずいぶん経ちます。高度成長時代の日本の医療は、「病気が治る可能性が少しでもあるのなら、命が救える可能性がゼロではないのなら、医療にはいくらお金をかけてもいい」という医療でしたが、日本の高度成長時代が終わり、日本の社会が、世界のどこの国も未だかつて経験したことがないようなスピードで少子高齢化社会に突入していくことが分かってからというもの、本来は人間にとって最も大切な「医療」という分野に対しても、日本の社会は無尽蔵にお金をかけられなくなりました。
そうした「“効率的な”医療」や「医療費抑制」策の中で言われるようになったのが「医療機関の機能分担」や「病診連携」(病院と診療所の連携)です。
 診療所と病院が同じような医療をしていたのでは、お金が無駄にかかり“非効率的”だから、診療所は診療所に合った医療を、病院は病院に合った医療をそれぞれ行い、こうした違った性格の医療機関が自分たちの不足する部分を補い合い連携することで、医療費の無駄をなくそう、国の総医療費を削減しようという考え方です。
 こうした病院と診療所の機能分担のひとつとして、友愛記念病院の新病院は「“画像診断センター”機能」と「“手術センター”機能」の強化を図りました。
 高性能で高額な医療機器をふんだんに揃え、この地域の診療所の先生方に大いに利用してもらおうと思います。
 近隣の診療所や病院の先生方が、普段自分で診ていられる患者さんに、ちょっとした精密検査が必要になった時、気軽に当院に検査依頼が出来、かつ、その検査のレベルがいつも日本や世界の最高水準を保っている、ということを目標に、新病院の画像診断部門の整備をしました。

 また、当医療圏で様々な外科系診療科での手術が必要になった場合、遠方の病院に行く必要などなく、当院で全てまかなえるように、この地域の「手術センター」的存在になることを目指し、充実した手術室を作りました。

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