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#57:セクハラとパワハラ

この文章は平成28年10月に発行された病院広報誌47号に書いた文章です。

セクハラとパワハラ

院長 加藤 奨一

いつもこのコーナーには医療行政に対する不平不満や批判を書いていますが、今回は少し趣を変えて、「セクハラ」と「パワハラ」について書いてみたいと思います。

まず、セクハラとパワハラについて今の社会で一般的に言われていることを復習してみます。
セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)とは、「性的嫌がらせ」を意味します。最も広い意味では、例えば強姦(刑法177条)、強制わいせつ(同176条)という刑事犯罪にあたる行為から、民事上の不法行為にあたると判断されない単なるマナー違反まで含むこともあります。さらに、男性が女性に対して行う言動のみならず、男性が男性に、女性が男性に、あるいは女性が女性に対して行う言動まで含まれます。

具体的には、性的な事実関係を尋ねること、性的な内容の情報(噂)を意図的に流布すること、性的な冗談やからかい、性的な話をすること、食事やデートへの執劫な誘い、個人的な性的体験談を話すこと、性的な関係を求めること、などです。男性が男性の部下に対して「まだ結婚しないのか」などと言ってもセクハラだそうです。

一方、パワハラ(パワーハラスメント)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています。パワハラの対象には、上司から部下への行為だけでなく、同僚間や部下から上司への行為も含むものとされています。

セクハラもパワハラも、いずれもどこからがハラスメントであるのかという線引きが難しく、その判断が困難な場合が多いとされています。
また、組織の管理者は、職員から相談を受けた場合には、見て見ぬふりをせず、適切に対処しなければいけません。対応がおろそかになった場合、組織の信用度が社会的に著しく低下してしまうこともあり、また、組織が職員から賠償責任を問われることもあります。
対応方法は、セクハラ、パワハラとも同じようなもので、組織として実態調査(ヒアリング)、人事異動、懲戒処分(降格や減俸)、などを行うことが推奨されています。

以上が現在セクハラとパワハラについて一般的にコンセンサスが得られていることです。今回のオピニオンは組織に所属する方々へのメッセージとして書きましたが、参考になりましたでしょうか。

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