オピニオン

トップページ > 病院のご案内 > 病院について > オピニオン > #64:「カルテコ」

#64:「カルテコ」

この文章は平成30年7月に発行された病院広報誌54号に書いた文章です。

「カルテコ」

院長 加藤 奨一

6月4日から当院では、メディカル・データ・ビジョン株式会社が開発した「カルテコ」というWEBサービスをスタートしました。

これは、当院で受けた血液検査などの検査結果、処方された薬の内容、レントゲン・CT・MRI・内視鏡検査などの画像を、患者さんご自身がパソコン・タブレット・スマホで閲覧できるサービスです。

当院の理念は「“夢”を育む病院 医療を受ける人も 医療に携わる人も」です。「病気からの健康回復」という患者さんの“夢”をかなえることが医療従事者としての第一の使命ですが、さらに、「病気で苦しむ人の健康回復の手助けをすることで、社会における自己の存在意義を感じながら毎日仕事をしていきたい」という、医療従事者の“夢”もかなえる病院という願いでこの理念を掲げています。

患者さんやそのご家族と医療従事者とが、病気に立ち向かうパートナーとして、お互いの人間性を尊重し、同じ目線で協力し合い、病気という逆境を克服していくことが医療の理想型だと私は考えています。そのために、医療を受ける人たちと医療を提供する人たちが、病気の状況を可能な限り同じ目線で把握することが大切です。患者さんやご家族の病気についての理解が深まり、医療従事者との認識の違いを埋めたいと思います。医療を受ける人たちと医療従事者との間で診療情報を共有する強力なツールとして今回「カルテコ」というWEBサービスを導入しました。

また、当院は地域がん診療連携拠点病院であり、今年度、「がんトータル・サポート」という多職種協働による横断的ながん患者さんのサポートを開始しました。地域医療支援病院として、他の医療機関と協力して患者さんの診療にあたることもしています。そうした場面では、医療従事者同士が一人の患者さんの診療情報を正確に共有できるという点でも「カルテコ」は威力を発揮すると思います。

もう一つ。最近老夫婦のみのご家庭や独居の高齢者も増えており、そうしたケースでは、遠方にお住まいのお子さんが親御さんの診療情報を随時閲覧するなどといった使い方も可能です。ご本人からの電話などでの情報伝達ではよく分からない病状なども遠方のご家族が知ることができ、安心につながります。

友愛記念病院を受診される多くの患者さんにこのサービスを利用していただきたいと思います。

バックナンバー

↑To TOP