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#37:日本国民ひとりひとりの力

この文章は平成23年10月に発行された病院広報誌27号に書いた文章です。

日本国民ひとりひとりの力

院長 加藤奨一

4月に発刊した広報誌“You&I”第25号に「ピンチをチャンスに~東日本大震災~」という文章を書いてからもう半年が経ちました。

地震、津波、原発事故の三重苦から日本がまだ立ち直っていないこの時期に(この文章を書いているのは9月初めです)死者・行方不明者100人近くという台風12号による大被害のニュースがテレビ、新聞で大々的に報道されています。テレビで見る水害の映像は3月の津波被害の映像を彷彿とさせるようなすさまじいものでした。

どうしてこんなに短期間に日本に大きな災害が立て続けに襲ってくるのでしょうか。つい数日前には、野田氏の民主党新代表、新総理大臣就任のニュースがメディアを賑わせていたその矢先の大災害です。なにか日本に対する神からの大きな啓示があるように私には思えて仕方がありません。

啓示と言えば、7月18日に日本中で大騒ぎになった女子ワールドカップでの日本の優勝という“大事件”もそうです。早朝眠い目をこすりながら日米による決勝戦を見ていた方も多かったと思います。延長タイム終了前にアメリカにゴールを決められた時、ほとんどの国民は「優勝を逃して残念だけど、でも、よく頑張ったよな。」と心の中でつぶやいたのではないでしょうか。その直後の澤による同点ゴール、早朝にもかかわらず、近所の家々から歓声が聞こえました。みんな早起きして観戦しているんだ、とびっくりしたものです。「最後まであきらめずにベストを尽くす」ことの大切さを国民の多くが心に刻んだはずです。これも、大震災で心が砕けそうな日本国民に対する神からの啓示のようにその時思いました。

では今回の台風による大被害の啓示とは何でしょう。“オール・ジャパン”と言われるように、大震災復興に日本全体が一致団結しなければならないこの大切な時期に、政治家達は相変わらず権力闘争、派閥争いに明け暮れ、こうした政治家達の体たらくにあきらめの気分になった国民は政治に関心を失い、驚異的な円高で輸出産業は低迷し、国家の財政赤字は膨らむばかり、という八方塞がりのこの日本の状況は、「本当に今の日本はやばいんだよ。国民はそのことをしっかり認識して、頑張りなさい。」という神からの啓示ではないのでしょうか。

もうこの辺で立て直さないと、日本の近い将来も危ないのではないでしょうか。そして、それを回避することは国民ひとりひとりの力の結集でしか実現できません。日本国民には何事に対しても「それはお上が決めること」的な他力本願なひとが多く、選挙の時にも「自分が一票入れても大勢に影響はない。誰が当選しても代わり映えしない。」などと言っている国民が多いのですが、それでは自分たちの近い将来は危ういものになります。 自分の力で日本をよい国にするんだ、という強い気持ちをそろそろ国民ひとりひとりが持つべき時期が来ているのではないでしょうか。

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