部門紹介 -超音波・病理診断科-

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スタッフ紹介

臨床検査技師(超音波検査士7名を含む)
8名
病理医(非常勤)
4名

病理検査

病気の原因究明や診断を目的として、検査(主に内視鏡的検査)で採取した組織や手術で摘出した臓器などを対象に、臨床検査技師が標本(プレパラート)を作製し、病理医が顕微鏡等を用いて良性か悪性か、病変部がとりきれているか、悪性の場合どれくらい進行しているか、タチの悪さや転移の有無、追加治療が必要かなど、治療方針決定に役立つ情報を臨床医に提供します。

また、通常であれば1日~2日かかる標本作製を20分前後で作製することが可能な術中迅速病理組織診断も行っています。当院の場合は主に乳がんのセンチネルリンパ節が対象で、提出された組織を瞬時に凍結して専用の機器で薄切りします。それを直ちに染色して標本を作製します。この標本をバーチャルスライドというデジタル技術を使い、インターネット上でPC画面の顕微鏡画像を診断しています。 ⇒ 遠隔病理診断(テレパソロジー)

超音波検査

  1. 超音波検査とは
  2. 超音波検査の利点と欠点
  3. 超音波検査でどこが見えるの?
  4. 当院での主な検査部位について
    1. ①上腹部超音波検査
    2. ②下腹部超音波検査
    3. ③乳房超音波検査
    4. ④甲状腺超音波検査
    5. ⑤頸動脈超音波検査
    6. ⑥下肢動静脈超音波検査
    7. ⑦心臓超音波検査
  5. 超音波診断装置(14台)のラインナップ&配置と機能

1. 超音波検査とは

超音波検査とは、耳に聞こえないくらいの高い周波数の音(超音波)を体内に発信して各臓器から、跳ね返って(反射して)きた超音波の強弱と、跳ね返ってきた時間の差を画像に変換して診断を下す検査です。 それでは、実際どのくらいの高い音を検査で使用しているのかと言うと、腹部超音波検査で3.5MHz(3,500,000Hz)前後です。これは、ピアノが出す最も高い音(4,000Hz)の更に1,000倍近い周波数となります。

2. 超音波検査の利点と欠点

利点

  • 非侵襲性・簡便性に優れ安価である。
  • 他の診断機器に比べてコンパクトであるにもかかわらず、多くの情報を得ることができる。
    (病変によっては最も高い診断能を発揮する)
  • リアルタイムで情報を得られる事や、あらゆる方向の断層を観察する事が可能。

欠点

  • 検査を行う人によって精度が左右される。
  • 患者さん側の条件によっても、精度が変わります。太った方は超音波の通りが悪く、よく見えないことがあります。その他に、胃や腸に空気の多い方、お腹の手術を受けたことのある方も見えないことが多いです。

3. 超音波検査でどこが見えるの?

超音波検査は、とても広い範囲が見えますが、その中でも見えやすい所と見えにくい所があります。

よく見える臓器(得意な臓器)

肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、甲状腺、乳腺など

条件次第で見えたり見えなかったりする臓器

膀胱、子宮、卵巣、前立腺、胃、大腸など

見えない臓器(苦手な臓器)

肺などの空気の多い所や骨などの硬いところ

4. 当院での主な検査部位について

①上腹部超音波検査

検査用ベッドに仰向けになり、上腹部全体にゼリーを塗布し、必要に応じて息止めや左右への体位変換を行っていただきます。
検査時間は約15~20分程度です。
対象臓器は、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの腫瘍の有無や質的診断・石やポリープ・脂肪沈着や炎症の有無・腹水などを観察します。
また、結石やのう胞性疾患(膵は除く)は、超音波検査のみで確定診断が可能であり、それ以上の検査を必要としない場合もあります。

⇒検査前日の夕食以降は絶飲食です。
 しかし、口を湿らす程度のお水は摂って頂いて結構です

飲食後(特に卵類や乳製品)は、ガスの増加や胆汁排出のための胆嚢収縮などにより、非常に観察不良となります。飲食してしまった場合は、少なくとも飲食後5時間前後経過しないと検査は難しいです。

②下腹部超音波検査

検査用ベッドに仰向けになり、下腹部全体にゼリーを塗布し、必要に応じて息止めや左右への体位変換を行っていただきます。
検査時間は約15~20分程度です。
対象臓器は、腎臓・膀胱・女性は卵巣や子宮・男性は前立腺などを上腹部と類似したポイントで観察をします。

⇒検査時はおしっこを溜めて下さい。飲食制限なし。

③乳房超音波検査

上半身だけ裸になり、枕なしでベッドに仰向けになります。 乳房全体にたっぷりゼリーを塗り上下・左右の2方向から観察し、検査時間は約20分前後です。 1cm前後の小さな腫瘤(しこり)の検出力に優れ、腫瘤内部の状態も把握できます。がんとの判別が難しい、乳腺症やのう胞の診断に威力を発揮します。検査は痛みもなく20代から30代の若い方や乳腺の発達している乳腺密度の高い方などに有効です。 また、放射線被爆もなく、妊娠の可能性がある方や妊婦、更に、豊胸術後または乳房に痛みのある方などにも有用です。 当院で使用している超音波装置には、マイクロピュアとエラストグラフィーという乳房超音波検査専用の機能が搭載されています。  マイクロピュアは、超音波検査ではやや苦手とされる微細石灰化の視認性を向上させる機能です。 また、エラストグラフィーは、組織の硬さを画像化することができ、精密検査を必要とされる方を更に容易に絞り込むことが出来る機能となります。

⇒ 飲食制限なし。

乳がん検診Q&A

乳がんの罹患率は?

30歳頃から上昇し、特に45歳から閉経後にピークとなります。

マンモグラフィー検査と超音波検査はどちらがいいの?

結論から言うと、両方を行うのがベストです。
しこりについては、超音波の方が比較的よく検出される傾向にあります。しかし、乳がんの多くは微細石灰化を伴い、その石灰化の描出はマンモグラフィーにかないません。
それとは逆に、マンモグラフィーはごく早期の乳がんサイン(石灰化)をキャッチできます。ただし、検査に痛みを伴う場合が多い事や、被爆の問題、授乳中や断乳直後、豊胸手術後などは検査できない場合があります。
更に乳腺の発達している乳腺密度の高い方ではエックス線の特性上、しこりが見つけにくいことがあります。
よって、両方の検査を上手く組み合わせていくか、選んでいく事が大切です。

乳腺症とは?

20~40歳代のホルモン分泌が活発な女性に見られる良性症状で、乳房にしこりや痛みが見られます。閉経後は症状が改善していく傾向にあり、近年では日本でも乳腺症を超音波所見としてとらない傾向にあります。

乳腺炎とは?

授乳期に乳汁が乳管内にたまって炎症を起こし、乳房が腫れて硬くなり痛みを伴う「うっ滞性乳腺炎」や、これに細菌が感染してさらに強い痛みや高熱が出る「化膿性乳腺炎」があります。また、授乳経験がなくても乳腺から細菌が入って炎症を起こすこともあります。
いずれも症状が続く場合には、炎症性乳がんとの鑑別が必要です。

④甲状腺超音波検査

枕なしでベッドに仰向けで寝ます。顎を上げて、ゼリーをたっぷり塗り検査します。検査時間は約20分前後です。
甲状腺は喉の表面近くにある、体の新陳代謝を高めるホルモンを生み出す臓器です。甲状腺が病気になりホルモンのバランスが崩れると、疲労感や無気力、動機や息切れ、体重の増減などに加え、体感温度の上昇や過剰な発汗、月経過多・過少(女性のみ)など様々な全身症状をきたしてしまいます。
甲状腺超音波検査では、甲状腺の大きさ、炎症や血流の程度、腫瘤の有無や性質、リンパ節への転移などがわかります。また、甲状腺の腫瘍は女性に多く、悪性でない良性の病気が大部分です。

⇒ 飲食制限なし。

⑤頸動脈超音波検査

枕なしでベッドに仰向けで寝ます。顎を上げ頸部を左右どちらかにやや傾けて、ゼリーを塗り検査します。検査時間は約10分程度です。
近年、生活習慣の変化(食生活の欧米化や運動不足など)により、動脈硬化性の疾患が増えています。頸動脈は動脈硬化の好発部位であり、超音波でプラーク(血栓など)の有無を観察し、血管壁の厚さ(IMT:内中膜複合体厚)などを計測します(動脈硬化の一つの指標)。
また、カラードプラ法やパルスドプラ法で血流の情報なども観察および測定します。
頸動脈は大体、顎の高さ位の位置で内頸動脈と外頸動脈検査に分岐し、この分岐するところが動脈硬化によるプラークが多いところです。

⇒ 飲食制限なし。

⑥下肢動静脈超音波検査

下肢の検査では、鼠径部から足首まで観察しますので、靴下やストッキング、ズボンやスカートなどは脱いでもらい、下着(パンツ)一枚で検査をおこないます。検査用ベッドに仰向けまたは座位になり、足にゼリーを塗り検査します。検査時間はいずれも30分前後です。
下肢静脈超音波検査では主に、深部静脈血栓症(DVT)の有無や静脈瘤などを観察します。深部静脈血栓症(DVT)とは、近年話題の「エコノミークラス症候群」の事で、これは長い間同じ姿勢でいると足の静脈に血の固まりができ、体を動かしたとたん血の固まりが血管を通って心臓から肺へ行き、肺の血管に詰まってしまう「肺塞栓症」という病気を引き起こします。胸が痛くなったり呼吸が苦しくなり、最悪の場合死に至る事もある恐い病気です。
下肢動脈超音波検査は、足のどの血管が狭窄しているのか調べることができる検査です。糖尿病の方や透析患者さんに比較的多く発症し、動脈硬化によって起こる慢性閉塞性動脈硬化症(ASO)などの診断に有用です。

⇒ 飲食制限なし。

⑦心臓超音波検査

上半身は裸になり、左を下にして横になっていただき、ベッドへ寝た状態で検査を行います(バスタオルを掛けて検査します)。胸部にゼリーを塗り、肺の影響で心臓が見えにくい場合には、息を吸ったり吐いたり、止めていただくことがあります。検査時間は30分前後です。
心臓は、4つの部屋(左心房・左心室・右心房・右心室)からなり、それぞれの部屋は、弁と呼ばれる扉のようなもので仕切られ、血液が順序よく流れるようになっています。中でも左心室は、全身に血液を送り出す最も大切なところです。
心臓超音波検査では、これら心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察し、ポンプが正常に働いているかどうかを判定します。特に、先天性心疾患、心筋梗塞、弁膜症、心筋症などの病気の発見や重症度の評価、経過観察に有用です。

⇒ 飲食制限なし。

5. 超音波診断装置(14台)のラインナップ&配置と機能

東芝メディカルシステムズ(株)
Aplio 400/ Aplio MX / Xario / Nemio / Nemio XG / Power vision 6000 / SSA-340A
日立アロカメディカル(株)
ARIETTA 70
GEヘルスケア・ジャパン(株)
Vivid S6/LOGIQ S7

検査用ベッドに仰向けになり、上腹部全体にゼリーを塗布し、必要に応じて息止めや左右への体位変換を行っていただきます。
検査時間は約15~20分程度です。
対象臓器は、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓などの腫瘍の有無や質的診断・石やポリープ・脂肪沈着や炎症の有無・腹水などを観察します。
また、結石やのう胞性疾患(膵は除く)は、超音波検査のみで確定診断が可能であり、それ以上の検査を必要としない場合もあります。


[1F]生理検査室内エコー室 3台あり。上・下腹部、心臓、乳腺・甲状腺、頚動脈、下肢静脈と全ての領域が検査可能です。
[1F]救急処置室 1台。ポータブル用で全ての領域が検査可能です。
[1F]放射線部(結石破砕室) 1台。
[1F]泌尿器科 2台。泌尿器科専用。
[1F]婦人科 1台。婦人科専用。
[1F]血管外科 1台。
[2F]健診センター 2台あり全ての領域が検査可能。健診センター専用。
[3F]ICU 1台。ポータブル用で上・下腹部、乳腺・甲状腺、頚動脈が検査可能。病棟用。
[3F]手術室 1台。術中に使用。穿刺などにも対応しており、心臓以外は検査可能。
[5F] 1台。ポータブルの心臓専用装置。

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