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#43:再び「地域医療支援病院」

この文章は平成25年4月に発行された病院広報誌33号に書いた文章です。

再び「地域医療支援病院」

院長 加藤奨一

昨年7月に発刊したYou&I第30号に、「地域医療支援病院」承認を目指す、と書きましたが、その後準備が順調に進んでおり、今年度中には承認を得ることが可能になってきました。患者さんの受診環境にも大きな影響があることですので、もう一度この話題を提供致します。

厚生労働省が5年毎に策定している医療計画に基づいて各都道府県が策定する地域医療計画の茨城県版が今月から改訂されます。その中に、県内各二次医療圏に1つ以上の「地域医療支援病院」を設けることが達成目標として明文化されました。この地域は「古河・板東保健福祉医療圏」と言いますが、現在「地域医療支援病院」の承認を受けている病院はありません。当医療圏の中で友愛記念病院は「地域医療支援病院」承認に最も近いところにいる病院ですが、現在まで1項目だけ承認用件を満たせずにいました。

「地域医療支援病院」の承認用件は、
1)病院の規模は原則として病床数が200床以上の病院であること。
2)他の医療機関からの紹介患者数の比率が80%以上(承認初年度は60%以上)であること。あるいは、紹介率40%以上かつ逆紹介率60%以上であること。
3)他の医療機関に対して高額な医療機器や病床を提供し共同利用すること。
4)地域の医療従事者の向上のため生涯教育等の研修を実施していること。
5)24時間体制の救急医療を提供すること。
6)施設の構造が耐震等の必要な構造を有していること、です。

数年前から、2)以外は全て要件を満たしていますが、当院には紹介ではない初診患者さんも多く、紹介率(紹介患者数/初診患者数)、逆紹介率(逆紹介患者数/初診患者数)が承認要件を満たせませんでした。しかし、昨年度後半から毎月この基準値を超えるようになりました。承認を受ける日が近づいてきました。

「地域医療支援病院」は、日本の医療行政が推し進める、医療機関の「役割分担」と「連携」に最もマッチした病院のスタイルです。患者さんは全てお近くの診療所を「かかりつけ医」として持ち、ふだんはそこで診療を受け、必要な時だけ病院に紹介され、精密検査、手術、入院治療を受ける、という診療スタイルです。

病院の外来診療は、診療所からの紹介患者さんの診療、救急医療、特殊な疾患の専門外来のみです。慢性疾患の安定期の定期通院や、紹介のない初診患者さんの外来診療はやめなさい、と国は病院へ要求しています。

当院も今後は、紹介なしの初診患者さんの診療はお断りし、お近くの診療所を紹介させていただくとともに、慢性疾患の安定期の定期通院は診療所にご紹介することになると思います。

患者さんにとっては不便に思われるかもしれませんが、「国の方針」ですので、重ねてご理解、ご協力をお願い致します。

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