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#44:「逆紹介」

この文章は平成25年7月に発行された病院広報誌34号に書いた文章です。

「逆紹介」

院長 加藤奨一

4月から以下のような「消化器科一般外来休診のお知らせ」という印刷物を患者さんにお渡しし、私が今まで外来で担当してきた患者さんの多くを他の医療機関に紹介しています。


『 私こと加藤奨一は、担当の患者さんが多くなり過ぎ、診察開始予約時間を守れず、また、十分な診察も困難になってきました。

そこで、私が担当の患者さん全てに他の「かかりつけ医」を紹介致します。普段はそちらの医療機関にかかっていただき、定期検査の時に「かかりつけ医」から紹介していただき、消化器科の紹介外来で私が診察致します。

7月よりしばらくの間、一般外来は休診とし、消化器科の紹介患者さんのみの外来診療を行います。

ただし、下記の患者さんは今まで通り診療致します。

1)がんに対する抗癌剤治療を継続中の患者さん
2)がんの手術後まだ5年経っていない患者さん

私の担当の患者さんには大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解、ご協力をお願い致します。』


以上のような内容です。

このコーナーで2回ほど書かせていただいた「地域医療支援病院」承認へ向けて当院としての姿勢表明を病院長の私自らが診療の現場で行おうということです。

病院の外来診療は、診療所からの紹介患者さんの診療、救急医療、特殊な疾患の専門外来のみとし、慢性疾患の安定期の定期通院や、紹介のない初診患者さんの外来診療はやめなさい、という厚生労働省から病院への要求に応え、患者さんには全てお近くの診療所を「かかりつけ医」として持っていただき、普段はそこで診療を受け、必要な時だけ病院に紹介され、精密検査、手術、入院治療を受ける、という厚生労働省が理想としている「病院」という医療施設の診療スタイルへ友愛記念病院の診療スタイルを変えていこうということです。同時に、紹介なしの初診患者さんの診療もお断りし、お近くの診療所を紹介させていただき、診療所の先生が診察した結果、当院への受診が必要だと判断した場合に当院へ紹介していただくということも始めています。

長い方だと19年間に渡り私の外来に定期通院されている患者さんもいます。元々の病気は完治していても、定期的に私に会いに来ることだけを楽しみにしている患者さんもいます。医師としてこれほどうれしいことはありません。「医者冥利」に尽きます。大変ありがたいことです。そうした患者さんを他の医療機関にご紹介することは、一医師としては「断腸の思い」ですが、「国の方針」ですので、逆らえません。必要な時はいつでも私が診察致しますので、重ねてご理解、ご協力をお願い申し上げます。

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