#92:診療報酬改定
この文章は2026年7月に発行された病院広報誌82号に書いた文章です。
診療報酬改定
2年ごとに行われ今年6月施行となる今年度の診療報酬改定の改定率は、本体が2年度平均+3.09%の引き上げとなりました。
6つの要素で構成されており、賃上げ分+1.70%、物価上昇対応分+0.76%が主要な要素です。
薬価などは一0.87%の引き下げとなりました。
「大幅プラス改定」と報道されていますが、収入がプラスとなる施設基準や加算には厳しい取得要件が設定されており、従来よりグレードアップしなければ取得できないような仕掛けがされています。
いつも通りの厚生労働省の戦略です。
また、2025年度を目標年度として進められてきた「地域医療構想」では、日本全体、あるいは各医療圏とも、一般病床が過剰、回復期病床が不足という状態から、一般病床から回復期病床への転換を促す方針が採られ、一般病床を地域包括ケア病棟のような回復期病床に転換した病院が多く、急性期医療をしつつも、回復期も、場合によってば慢性期もやる「ケアミックス」病院が増加しました。
しかし、今回の診療報酬改訂でその方針が180度転換されました。
最大のメッセージは「頑張って急性期医療を続けるのか、回復期・慢性期医療を中心にやっていくのか、どちらかに決めなさい」という「二者択ー」を迫られました。
回復期病床を持っていないことが本来の急性期病院の条件です、というメッセージです。
急性期病院は急性期病床だけを持ち、急性期を過ぎた患者さんの医療は、自分の病院で行うのではなく、他の回復期病床を持った病院との連携で行いなさい、というメッセージです。
急性期~回復期~慢性期と何でもできる病院は要りません、そうした病院は急性期医療を止めて回復期~慢性期に専念しなさい、急性期をやる病院は回復期や慢性期は行わず、急性期医療をもっと充実させて急性期医療に専念しなさい、ということです。
さあ、友愛記念病院は今後、どちらの方向に進むべきでしょうか。
急性期病床で最高の「急性期病院一般入院基本料A」の基準である救急車搬入台数年間2,000台以上はクリアしていますが、もう1つの基準である全身麻酔症例年間1,200件以上に直近の1年間で125件不足していました。
1年後に年間1,200件以上に増加すればクリア可能ですが、地域包括ケア病棟を一般病床に戻した場合、他病院との連携強化により、急性期を過ぎた患者をすべて、すぐに他病院へ転院させていくことはそんなに容易なことではありません。
悩むところです。

